金属材料分別器メタルテスターが役に立った事例
先日、取引先の人からステンレス部材の溶接をしてほしいと持ち込み依頼があり対応しました。
形状の異なる2つの部材のうち1つを手にしたとき、重さに違和感を感じました。
材料の色も見た感じ普段扱っているチタンっぽく見えたので
「んんつ、なんか軽く感じるんやけど本当にステンレスか?」
担当者に尋ねたところ
「ステンレスの在庫棚にあった中途半端に使われていた材料を切って持ってきたので大丈夫」
との回答。
管理体制もしっかりした会社なので、そういうのであればそれを信じて作業を開始。・・
したのですが、部品同士が接合されない事態に陥りました。
過去の経験だと、弊社の機器ではチタンとステンレスは溶接出来ない事が分かっているので
「これ、ひょっとしてチタンじゃない?」
と言い、本人を目の前にして確認するのもどうかなと思いつつ
弊社の簡易金属材料分別器「メタルテスター」を引っ張り出しました。

電源を入れ、測定を開始したのですが、予想通り2つの部材の測定値が異なります。
ひとつは純チタンの値、そしてもうひとつはSUS304の値
持ち込んだん担当者も結果を見て、
「ホントや、すみません」
と申していました。
通常、材料の管理においては着色、管理タグ、材料を示すマーキング刻印で管理することが一般的だと思いますが、中途半端に使った材料だと、こういった抜け落ちが少なからずとも発生します。また、作業担当者の思い込みなどもミスの原因になります。
今回の事例では単品での事だったので大きな問題とはなりませんでしたが、
これが時と場合によっては後々大変なことになってしまうことも十分に考えられます。
実際に弊社でも、眼鏡部品加工をしていたころ、もう40年くらい前の話(会長から聞いた話)で、形状が同じで材質の異なる部品を混入させて納品してしまい、後で大変なことになったと聞きました。
この時の反省からこのメタルテスターを開発したというストーリーがあります。
この問題が発覚した当時、この機器の原理を考えた会長がありものの機器を使い測定、数千個の部品を見事分別したとのことでした。
もし同じようなことで失敗した等、経験のある企業様にはきっとお役に立てるものかと思います。
例:
仕入れた熱電対仕様がちゃんとあっているか?材料がのチェック
海外から仕入れた眼鏡が本当に指定した材料で作られているか?
金属リサイクルetc.
条件がはまれば「かなり」便利な機器です。
気になる方はお気軽にご相談下さい。
